[今週の一冊 2016/02/24] トヨタ生産方式の逆襲 -創造的カイゼン活動の提案-
トヨタ生産方式の逆襲 (文春新書) 単行本 – 2015/1/20
鈴村 尚久 (著)
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○創造的カイゼン活動の提案○
「そこか!」
何か物を生産する現場、それは物に限らずサービスでも生産する現場があるはず。
物でもサービスでも、その生産している現場を見てみよう。
現場のみならず、そこにある部品を見てみよう。
その部品は、どんな単位で動いていますか。
1000個単位?100個単位?10個単位?1個単位?
顧客に販売する一つの商品を作るときに動く、部品の単位を見てみよう。
1000個の部品が手を繋いで歩いているところをあなたは見たことがありますか。
「いや、これ大企業の例だし」
大体の人は、配送頻度を上げればコストがあがると思っています。
だからなるべくまとめて配送しようとする。
それが効率の良い配送システムだと。
本当にそうか。
配送頻度を上げても、使用頻度の高い部品を運ぶとき、トラックの隙間に使用頻度の少ない部品を入れることができる場合があります。
この場合、頻度が上がってもコストは上がりません。
また、配送コストが上がってもその分販売数が上がります。つまり、生産効率ではなく、販売効率が上がります。
「中小企業の事例もあるのか」
トヨタ生産方式には部品など在庫を置いておく場所のことを”ストア”と呼びます。
このストアを見える化します。
見える化とはつまり、
・何がストアにあるのか
・何個あるのか
が人間が見て、一目で分かる状態にしておくことです。
昨今のITの導入によって実は現場に行っても、何がどこに何個あるのか見えないことが大半です。
物はすぐそこにあるのに、わざわざパソコンを見なければ、何が何個あるか分からないなんて、不自然な感じですよね。
中小企業は特に、ストアの見える化をするだけで生産効率がアップすることが大半です。
「あそこの会社はこうすればいいのか・・・」
ストアを考える際に、分かり易い事例がカウンターのある寿司屋です。
新鮮なネタがあるショーケースの前にお客が座り注文します。
寿司屋の大将は、その注文に応じてネタを取り、寿司を握りますよね。
ネタが入っているショーケースがストアになります。
誰が見ても、ショーケースに何が何個あるか分かります。
お客さんですら分かるから、状況に応じて注文してくれますよね。
「あ、見えてきた」
納期には2種類あります。
1.点の納期:この日時に納入して欲しい!とピンポイントで納入日時が決まっているもの。トヨタのジャストインタイムの納期はこちら。
2.エンド納期:いつでも良いから、最低この日時までに納入されればいい。という期限がある納期。
お客さんから見ると、大半のものはエンド納期であることが分かります。
受注生産をしている会社でよくありますが、生産計画を立てるために点の納期を重視して、現場のスケジューリングが複雑になっていることがあります。
でも、エンド納期であれば、生産側の都合で工場を動かせば良いので、スケジューリングはシンプルになります。
「よし、あの会社の社長に教えよう」
トヨタ生産方式を語る上で出てくるキーワードの一つ、”カイゼン”
真のカイゼン活動は、他の企業の真似をしてやり方を導入することではなく、それぞれの会社の常識を否定して、現場を見つめ直すことです。
成功している自分達の常識を変えることは、当事者だけではなかなかできないことです。
外からの視点で常識を認識させて、創造的破壊をすること。
それは外部関係者として関わるコンサルタントの一つの仕事ではないかと思います。
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本記事では私すえなみが、
毎週、最近購入した本で興味深い本をピックアップしてご紹介しています。
著者が伝えたいことではなく、本を読んで私すえなみが気付いたことをご紹介しています。
本って、1回読んだだけで終わりじゃなく、2回目、3回目と読んだときに、その時に必要な新しい気付きが生まれるものだと思っています。ですから、ここに書いてあることが全てではないですし、私自身も言っていることが180度反対になることがあることをご承知おき下さい。
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